2017-10

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黒川博行著「疫病神」シリーズ

2017.2.17金

国境 暗礁


螻蛄 破門

文庫版「疫病神」シリーズ、読み切りました。

あらすじを簡単にご紹介。

「国境 上・下」
シリーズ第2弾。
重機の輸出で詐欺にあった二宮、カジノ建設の投資話で詐欺にあった暴力団(桑原)が詐欺を企てた男を追って北朝鮮に。
二度にわたって訪朝し、詐欺師を追い込んだ。しかし、帰国するには命からがらで、北鮮を脱出しなくてはならなかった…

近くて全く知らない国・北朝鮮を舞台に、かの国のお国事情を綿密に調べ、その情景を描きながら、ストーリーが進んでいく。
物語に目が離せなくて、先に、先にと読み進みますが、状況説明や事情説明が詳細で、この小説を書くために、どれほど下調べをされただろう!と感嘆して、夢中で読み切りました。
(最後に掲載されていた「参照文献」の数の多さが、それを物語っていました)
今、現実に起こっている事件は、物語をはるかに超えていますが、
事件のニュースを聞いていると、この作品の一節一節が妙に頭によみがえってきます。
「疫病神」シリーズの中で、私を一番夢中にさせた作品です。


「暗礁 上・下」
シリーズ第3弾。
ヤクザ桑原と関わりたくないと思っている二宮が、
またしても桑原の誘いで「賭けマージャン」に加わって、トラブルが始まります。
それは運送会社が警察を接待している麻雀。
運送会社、警察、暴力団が利権がらみでもつれあい、
放火容疑者の嫌疑をかけられた二宮が、
ヤクザ桑原とともに沖縄へ飛んで、切ったハッタのハードボイルド。

日常生活で、便利にお世話になる宅配便屋さん。
街角でも、その業種の車をいくつも見かけます。
しかし、運送業界がどのような仕組みになっているとか考えたこともなく、
今回も、知らない世界を覗いてみて、「へえぇ、そういう風になってるんや」と一人納得しました。

「螻蛄」
シリーズ第4弾。
宗教団体の宗宝の絵巻物を巡って、対立宗派や他地方ヤクザ、欲深坊主に二宮と桑原が、ドタバタの大争奪戦を繰り広げます。
今回の舞台は「宗教団体」。
絵巻物の真・贋、絵巻物を扱う画商など、黒川さんの本領・美術知識もチラチラと見えます。

この作品より、新しい仲間が増えました。
オカメインコのマキちゃん。
全体のテーマに似合わないような可愛い存在で、
マキちゃんのくだりがあるだけで、作品中の血なまぐささが和らぐような気がします。

我が家のお墓の置いてある菩提寺の奥さんたちは、いつも、まめまめしく、お寺やお墓のお世話をされていらっしゃるので、
この物語のようなことは関係ないわと思っています。
しかし、よその団体ではあり得るかも…と、身勝手な読み方をしていますね~。

「破門」
シリーズ第5弾。
映画「破門」は先日ログ・アップしましたが、
小説に、かなり忠実に映画化されたのだなと思いました。
本の中にはいなかったような人物が登場したりってこともなく。
オカメインコのマキちゃんが登場しなかったのは、インコの教育が間に合わなかったからかも(笑)。

映画の観客動員数は、思ったほどよくなかったそうです。
このシリーズの最大の魅力は、
二宮と桑原の、言葉の掛け合いと、会話のスピード感だと思います。
この、スピード感が曲者で、
関西弁を操る人達は多分、語尾まで読まなくても、語尾まで感じ取っているので、
文全体を読むスピードがアップしますが、
他の地方の方々は、語尾の一字一字まで読まれるので、
スピードが落ちて、面白さが減ってしまうのではないかと推測します。

次回「喧嘩」
シリーズ第6弾。
昨年12月に発刊されました。
まだ、文庫化されていないので、近所の図書館に借りに行きました。
ナント、現在、23人待ち。


解説の中で書かれていたことで、
「権力をかさに着て、偉そうにする奴は嫌いや」と黒川氏。
作品の中で、「権力を持ったやつをコテンパンにいわしたった」ことが、読後の痛快感になってるんじゃないかと評された一文が、印象に残っています。
黒川氏を評して反権力小説作家なのだと。

5つのシリーズを読んで、「社会派」小説を読んだと感じました。
エンターテインメントという衣を着ていなかったら、重すぎて読めないような内容です。
読後には、常に、「知らないことを知った」快感に包まれます。
まだまだ、継続読書中。
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COMMENT

パピナンさんはまっていますねえ。
黒川さんって本当に色々な題材の小説をお書きになっているんですねえ。面白いそう。時間がなくてなかなか一冊目が読み進まない私です。日本ではとても人気が高い作家さんなんですね。
黒川さんのことをグーグったら奥様は日本画家で学生結婚されていて。黒川さんの小説の表紙の絵は全て奥様の筆によるものだそうです。なかなか素敵な表紙だなと思っていましたが。インコの話笑いました。うちにも2匹おかまのインコ夫婦がいますよ。

桜子さんへ

コメントありがとうございます。
おお、桜子さん、インコを飼っているの?!
楽しいね!
黒川さんのインコ描写が面白くて、
「オカメインコ」でググってみました。
可愛い動画がたくさん。
きっと、黒川さんは、実際にインコを飼ってらっしゃるのだろうなと。
だって、描写がリアルだもん。

文庫「離れ折紙」の表紙カバー、日本画の美人画、印象に残る作品ですね。

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Author:パピナン
旅のHPを作りたいと思いながら、
実現しないまま10年の歳月が流れ…
ブログ立ち上げをきっかけに、
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日々の楽しみ事など散りばめて。

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