
池井戸潤著「アキラとあきら」、黒川博行著「喧嘩(すてごろ)」
2017/06/19 (Mon) 13:45
町を歩いていて、ふと目に留まった向井理さんと斎藤工さんのツーショットのポスター。
「ドラマ化決定」って、なになに?
思わず、買ってしまった「アキラとあきら」。
読みかけの黒川作品を放っぽりだして一気読み。
池井戸作品は、半沢直樹で一躍脚光を浴びた頃に、それまでに既刊の文庫本を買い漁って、一気に読み込みました。
(この読書パターン、いつもの通りです(^-^;)
以来、久しぶりの池井戸作品。
零細企業で、倒れた会社の息子だった山崎瑛と、大会社御曹司の階堂彬。
それぞれの運命を背負いながら生きてきて、就職先の銀行で出会い、ともに活躍しながら、お互いにとって、大変重要な存在となる…という長編です。
ここでも、池井戸氏の「金融知識」が大いに発揮され、
「へえぇ、世の中って、そういう理屈か…」と、大いに好奇心が満たされます。
二人が出会うまでのストーリーに、ずいぶん紙面を割いておられますが、最後には、何故、そういうストーリー描写が必要だったかが分かります。
最後の最後に「え?そういうことになったの?」という〆ですが、物語が泥沼で終わらなくて、気持ち良くハッピーにおさまっているのは、読後感が爽やかでよろしいかと。
黒川博行著「喧嘩(すてごろ)」
昨12月発刊で、図書館に借りに行って、ずーっと順番待ちをしていた本です。
いつ、予約に行ったかも忘れてしまったくらい長く待ちました。
こちらは、「疫病神」シリーズの第6弾。
黒川さんのリサーチ力と知識が発揮されていて、好奇心満足。
池井戸さんの様に一つの分野に特化した知識とは異なり、
多岐にわたって、リサーチを綿密にした知識は、黒川氏の魅力の一つ。
スカンピン二宮と、組を破門されて一般人としての桑原。
今回は、国会議員や地方議員の、選挙を軸に、その裏にある「きな臭い」出来事を描いた物語。
この物語を読むと、「選挙って、そうなの?」と、思わず、描いてあることを信じ込みそうです。
鵜呑み込は危険。しかし、議員さんの「よろしくないこと」が頻繁に露呈される昨今、「やっぱり、ホントにそうなのかもしれない…」と思わせてしまうところが黒川流です。
お馴染みの登場人物(?!)、悠紀ちゃんと、オカメインコのマキちゃんも健在。
汚く堕ちていきそうな場面に、一抹の明るさをもたらせてくれます。
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